健康経営支援サービス
大学の運用ニーズに応える
柔軟な対応と手厚いフォローで
ヘルスケアデータ管理を
刷新しました。
学校法人関西大学様は、1886年創立の長い歴史と伝統がある大学です。大阪府下に8️つのキャンパス(関連施設を含む)があり、30,000名以上の学生が正課および課外活動に打ち込んでいます。常に大学の内外において多彩な事業を展開していますが、「吹田みらいキャンパス」における「ビジネスデータサイエンス学部」の設置(2025年4月)や、万博に関する積極的な取り組み・情報発信等のほか、DXやSDGsに関する活動も活発化されています。
2024年4月に健康経営支援サービス HealthCare iris をご導入いただきました。
以前に利用していたオンプレ型のシステムを導入してから15年が経過し、その間に改修を重ねた結果、さまざまな問題が発生していました。また、運用コストも高かったため、システムのリプレイスを検討することになりました。Webで検索し、10数社をピックアップした中にアイテック阪急阪神さんも含まれていました。偶然ですが、担当者の自宅が御社に近かったため、直接パンフレットをもらいに行くことにしました(笑)。
そうでしたね!弊社のオフィスで資料をお渡ししました。
そこから、私たちの方で「必須」と思われる機能をピックアップし、それが実装されていると思われる5、6社に絞ってプレゼンを依頼しました。
各社のプレゼンを見せていただく中で、産業保健寄りと学校保健寄りのシステムがありました。
HealthCare irisは産業保健メインのシステムですが、学校保健への転用を想定し、最終的にコンペで機能を確認しました。加えて、他のクラウドサービスとは料金体系が異なり、予算を抑えることができたことも選定における大きなポイントでした。最終的には、学生と教職員を同一システムで管理できる手ごたえが得られたことと、コストパフォーマンスの高さを評価してHealthCare irisに決定いたしました。
クラウドサービスを導入するのはHealthCare irisが初めてのケースだったと聞いておりますが、学内の調整はスムーズに行きましたでしょうか。
学内に『業務利用におけるクラウドサービス利用ガイドライン』があり、その基準に則った運用体制が構築できるかがポイントでしたが、ちょうど学内業務DX推進の流れもあって、情報システム部門も後押ししてくれました。そのため、学内において本格的なクラウドサービス導入事例はなかったのですが、大きな調整ごとは発生せず導入することができました。
以前のシステムでは、学校保健仕様の管理画面に教職員の基礎データや健診結果データ、判定等を無理やり当てはめていたため、運用にマッチしていない部分がありました。学生は学校保健安全法、教職員は労働安全衛生法と、管理において準拠する法令が異なるため、健診項目や事後フォローの仕方が、双方で全く異なります。また、産業保健の観点から考えると、大学は一般企業と比べて教職員の職務内容が多岐にわたるため、職務に応じた就業管理や配慮等を検討する必要があります。
HealthCare irisでは、管理画面をユーザーの要望に合わせカスタマイズできるため、学生と教職員で別々の画面に分け、それぞれに対応した管理項目や基準値等を設定することで、以前に比べて管理業務を円滑に進められるようになりました。
資格とそれに伴う管理には様々なパターンがあり教職員健康管理は非常に複雑だと感じます。
そのあたりは本当に御社のプロジェクトマネージャーやSEの方たちに感謝しています。
例えば、事務職員が定年を迎えて再雇用になると職員番号が変わりますが、新しい職員番号で健診結果を閲覧する場合、以前は都度システム会社に紐づけ作業をお願いしていました。しかし、今はシステム会社に依頼しなくても、本学の人事システムから連携される基礎データが、Healthcare iris上で正しい職員番号に紐づけられる仕組みによって引継ぎができるようになり、一定のレベルで自動化ができるようになりました。これは大きな成果だと思います。
学生の事後フォローについてはいかがですか?
学生は事後フォロー連絡時の電話やメールに反応しない時もあるので大変です(笑)。以前のシステムにも検索機能はあったのですが、約3万人の学生の中から対象者を抽出する際の速度が遅くて、ストレスが生じる度にシステム会社に連絡していました。しかし、HealthCare irisでは学生の事後フォローに関するさまざまな条件を登録できる機能を活用して、対象の学生をスムーズに抽出できるようになりました。検索条件は定型検索として登録でき、次回以降はワンクリックで使用できるので、これにより作業量が減り、時間短縮が実現できて助かっています。
要件定義のフェーズでは、大学独特の要望にどこまで対応していただけるのか不安でした。しかし、業務のヒアリングをしていただいた際、私たちの説明が不明瞭な部分があったにも関わらず、それをしっかりシステムに反映してくれたのはすごいと思いました。
正直、システム構築の段階において、大学における健康管理業務の内容をうまく説明できないことも多かったですが、プロジェクトマネージャーやSEの方たちが既存の枠組みに囚われず、本学の業務をいちから理解するという視点で話を聞いてくれました。そのため、説明しながら自分たちの業務を振り返り、整理することができました。さまざまな案を示してくれたので、どうすれば効率化を実現できるかイメージできました。
本学では、現在のところ教職員一人ひとりに生涯コードが付与されておらず、同一人物でも複数の職員番号を保持するケースがあります。
その取り扱いについて、初回の打ち合わせではそれぞれを別レコードとして扱う方向で話が進んでいました。
しかし、それでは以前のシステムでも生じていた課題が改善されないので、第3回の打ち合わせでHealthCare irisのIDをユニークコードとして、複数の職員番号を一本化する方針に変更しました。
その後、何度も打ち合わせを重ねて仕様を決定し、本稼働を迎えるまでプロジェクトマネージャーやSEの方たちに試行錯誤していただいたことで、最終的にはこの方針をほぼ実現することができました。
他社のサービスを導入していたら、このような本学独自の仕様を考慮した対応はしていただけなかったと思います。本当に感謝しています。
学生の健康管理・アプローチ方法が時代とともに変わるため、私たちもそれに合わせて管理方法を変更する必要があります。システムが柔軟に更新されることを期待します。
クラウドサービスであるため、本学だけでなく他社や他大学の要望に応じてアップデートされることも期待しています。ただ、まだすべての機能を使いこなしていないので、まずは新しくなったシステムをしっかり使っていく体制を整えたいです。
取材日:2024年9月9日
貴重なお話を頂戴しありがとうございました。
ご回答者:関西大学 保健管理センターの皆様